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循環器内科 - 末梢動脈疾患

末梢動脈疾患

閉塞性動脈硬化症(ASO)=末梢動脈疾患(PAD)の患者さんは近年増加の一途をたどり、高い確率で動脈硬化性脳心血管疾患を合併してしまうことが少なくありません。主な症状として挙げられる下肢虚血(脚部の血液が不足すること)に対しては内服治療・運動療法が有効とされていますが、下肢切断のリスクが高い重症下肢虚血症例に対しては速やかな血行再建が必須となります。

当院では患者さんの症例に合わせて、カテーテル治療とバイパス治療を効果的に組み合わせることで、より質の高い下肢血行再建に努めております。2017年に実施した下肢血行再建術のうち全体の23%の症例が外科的手技とカテーテル治療を同時に実施するハイブリッド治療でした。毎週のケースカンファレンスを通じて、患者さんにとってベストの治療法を選択しております。

カテーテル治療についても当科と血管外科の合同で施行しており、2017年は合計で174症例に対して実施しましたが、そのうち65%の症例が重症下肢虚血症例でした。創傷を有する症例に対しては形成外科や整形外科と協力しながら、必要に応じてデブリードマンや切断を血行再建と同時に実施しております。複数の診療科ならびに多職種で構成されるフットケアチームと連携しながら、迅速で的確な集学的治療を心掛けています。

国内外の医師・メディカルスタッフを迎えたワークショップなどの勉強会を多数開催しており、治療方法や手技に関するディスカッションを通じて、理解・交流を深める良い機会となっております。

進化する血管内治療

末梢血管に対するカテーテル治療は技術・デバイスともに日々進化しており、長期開存維持のためにさまざまな試行錯誤が繰り返されております。当院では最新の治療用デバイスをいち早く臨床導入すると同時に、自らの治療成績を蓄積して学会発表などを通じて発信することで、より質の高いカテーテル治療を目指しております。

浅大腿動脈用ステントグラフト
浅大腿動脈用ステントグラフト
(Gore社 Viabahn)

薬剤塗布バルーン
薬剤塗布バルーン
(Medtronic社 IN.PACT Admiral)

腸骨動脈用ステントグラフト
腸骨動脈用ステントグラフト
(Gore社 Viabahn VBX)

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