診療科・部門一覧

循環器内科

当科の特徴

当科では、久保田・末松を中心に15名のスタッフが診療にあたっています。当院は3次救急病院ですので、時間外でも常時8名の当直医が院内に待機しており、そのうち1名はCCU当直を務める循環器内科医です。さらに、オンコール1名とバックアップ1名の循環器内科医を院外に配置することで、24時間365日いつでも心筋梗塞などの循環器系救急疾患に迅速な対応ができる体制を整えています。救急科とも緊密に連携し、福岡都市圏で最も万全な循環器救急体制を整えているものと自負しています。

2013年4月に、心臓血管外科・血管外科・循環器内科の3科で心臓血管・大動脈センターを立ち上げました。実際には、放射線科を加えた4科体制になります。診療科の垣根がないセンターの強みを最大限に生かして、最善・最強のチーム医療を実践していきたいと考えています。

当科の循環器診療の3本の柱は、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI: Percutaneous Coronary Intervention)、不整脈に対するカテーテルアブレーション(CA: Catheter Ablation)、末梢動脈疾患(足の動脈の閉塞や狭窄)に対する血管内治療(EVT: Endovascular Therapy)です。2023年の実績は、PCI 579例、CA 402例、EVT 189例(血管外科の症例も含む)でした。» 実績詳細はこちら

いずれも市内でトップクラスの症例数ですが、治療の質においてもトップクラスと評価をいただけるよう、スタッフ一同、一人ひとりの患者さんを大切にし、最新の知識と技術の習得に努め診療にあたっています。

※当院では以下の調査および研究に参加しています。
 ・心房細動診療に関する全国調査
 ・循環器診療実態調査(JROAD)

副院長 久保田徹

当科の受診について

当科は患者さんをなるべくお待たせしないように時間予約制を導入しています。かかりつけ医やクリニックの先生からの紹介状があれば、事前に診察の電話予約が可能です。患者さんより直接当院(地域医療連携室)へ電話予約していただいて結構です。下記の新患担当医に限り、診察予約が可能です。

 
新患担当医 大井・内川 末松・巷岡 久保田・石北 野副・長友 中城・權藤

紹介状の必要性

病院と診療所(医院やクリニック)が協同して、役割分担をしながら切れ目のない良質な医療を提供することが望まれています。病院は救急医療あるいは特殊な検査や入院治療を受け持ち、診療所はかかりつけ医(ホームドクター)としての役割を果たすように厚生労働省からも指導されています。このように病院と診療所が連携をとり合って診療を行っていくには、紹介状やそれに対する返事が非常に重要です。

<予約方法>
かかりつけの医療機関で紹介状を書いていただき、当院の地域医療連携室までお電話ください。

予約に関する問合せ先

済生会福岡総合病院 TEL:092-771-8151(代表)
地域医療連携室 内線5475

WATCHMAN(左心耳閉鎖デバイス)

watchman

2020年7月より「WATCHMAN(左心耳閉鎖デバイス)」を使用した、新しい心原性脳塞栓症の予防カテーテル治療を開始しました。

「WATCHMAN(左心耳閉鎖デバイス)」をカテーテルにて、心臓(左心耳)内に留置することで、出血性リスクがあり、長期抗凝固薬の服用が難しい非弁膜症性心房細動患者さんの脳梗塞リスクを低減する代替療法です。

» WATCHMANの詳細はこちら

TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)

TAVI

2023年9月より「TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)」の専門施設となりました。

大動脈弁狭窄症に対する治療法で、高齢や合併症のために手術困難とされていた患者さんにも、治療が可能になりました。当院ではそれぞれの職種のスペシャリストが連携し、安心のチーム体制で治療にあたります。

» TAVI特設サイトはこちら

カテーテルアブレーション(不整脈のカテーテル治療)

カテーテルアブレーション

当院では2012年4月より不整脈に対する特殊治療であるカテーテルアブレーションを開始し、その症例数は2022年11月に3,000例を超えました。

発作性上室性頻拍症や心房細動などの上室性不整脈に加えて、心室性不整脈などの致死性不整脈に対しても積極的に治療を行っています。3次元マッピングシステムやクライオバルーン(冷凍)アブレーションなどの最新の医療機器や医療技術を用いて、安全で的確な治療を目指しています。

» カテーテルアブレーションの詳細はこちら

Apple Watch(アップルウォッチ)の心電図データを活用した診療について

アップルウォッチ

当院ではアップルウォッチなど患者さんご自身の家庭用医療機器の心電図データも参考に診療を行っています。

アップルウォッチは心房細動などによる不整脈波を監視します。一日中検脈をして、脈拍異常がないかを調べることができます。不整脈波を検出した時や動悸症状を自覚した時は、すぐに心電図を記録することができ心房細動の診断に役立てることができます

※当院を受診する際には、基本的に紹介状が必要になります。紹介状をお持ちでない方は、初診時に選定療養費をご負担いただきます。

» アップルウォッチの心電図アプリの使い方
» 日本循環器学会 「家庭用心電計プログラム」及び「家庭用心拍数モニタプログラム」の適正使用に関するお知らせ

リードレスペースメーカー

脈が遅くなりすぎる(徐脈)治療として、脈が不足しているときに機械が自動的に判断して、心臓に電気刺激を加えて補うのがペースメーカー治療です。現在徐脈に対する治療法としては内服治療では効果が不安定で、ペースメーカー治療が唯一の治療法となります。

リードレスペースメーカーはその名の通り、心臓につなぐリード(電線)がありません。従来型と同様の機能を備えたカプセル型の本体(直径6.7ミリメートル、長さ25.9ミリメートル、重さは1.75グラム)を、太ももの付け根の血管から心臓に植え込み電気信号を伝えます。鎖骨下の皮下ポケットやリードが不要なため合併症のリスクが低く、また外科手術による傷や皮膚のふくらみもないため、生活の質向上へつながります。

» ペースメーカーの詳細はこちら

画像検査を駆使した新しい冠動脈疾患治療

冠動脈疾患治療

当院では年間1500件の320列冠動脈CTを行っています。CT検査を行うと、狭い血管が発見される方が数多くいらっしゃいますが、心筋の血液不足のサイン(虚血:きょけつ)があるとは限らないケースも存在します。外来で血液不足のサインを確認する方法に核医学検査(年間250例)があります。

従来はこの2つは独立した検査同士でしたが、近年この二つを組み合わせることでより視覚的に確認できるようになりました。これをFusion Image (融合画像)(図1)と読んでいます。(図1は、CT検査と核医学検査の結果をコンピュータで融合させています) Fusion Imageを用いることにより、治療方針の決定に有益であるのはもちろんのこと、患者さん、ご家族、紹介してくださる開業医の先生方に結果をより視覚的に提示できるようになりました。

図:320列冠動脈CT(図2)では血管が狭くなった狭窄が疑われ、fusion image(融合画像 図1)では負荷時に虚血(黄色の点線:赤味が薄れて黄色味を帯びている)を認めました。冠動脈造影検査で狭窄を確認し(図3)、同部位に治療を行いました。

» 冠動脈疾患の詳細はこちら

冠動脈CT検査・FFRct解析

FFRct解析

2019年よりFFRct解析を併用し、狭心症や心筋梗塞の患者さんをより機能的に診断できるようになりました。

» 冠動脈CT検査・FFRct解析の詳細はこちら

末梢動脈疾患

浅大腿動脈用ステントグラフト

閉塞性動脈硬化症(ASO)=末梢動脈疾患(PAD)の患者さんは近年増加の一途をたどり、高い確率で動脈硬化性脳心血管疾患を合併してしまうことが少なくありません。主な症状として挙げられる下肢虚血(脚部の血液が不足すること)に対しては内服治療・運動療法が有効とされていますが、下肢切断のリスクが高い重症下肢虚血症例に対しては速やかな血行再建が必須となります。

当院では患者さんの症例に合わせて、カテーテル治療とバイパス治療を効果的に組み合わせることで、より質の高い下肢血行再建に努めております。

» 末梢動脈疾患の詳細はこちら

心不全サポートチーム

心不全サポートチーム

心不全患者さんの病態の安定を図るために、当院では多職種で患者さんと向き合っています。医師、認定看護師、栄養士、理学療法士、薬剤師、臨床工学技士、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士など、多岐にわたる臨床スタッフで心不全サポートチームを形成し、週1回心不全カンファレンスを行いよりよい心不全治療を目指しています。

» 心不全の詳細はこちら

診療内容についての問合せ先

済生会福岡総合病院 TEL:092-771-8151(代表)
循環器外来 内線5020

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