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循環器内科 - ペースメーカー

ペースメーカーによる徐脈の治療について

心臓は電気信号の伝導により収縮し、ポンプの機能を果たしていますが、ご自身の心臓がうまく電気信号を作れなくなると、脈が遅くなってしまいます(徐脈)。ペースメーカーは、脈が遅くなりすぎた分を、機械から心臓に電気信号を加えることにより治療します。

◆ペースメーカーのしくみ

胸の部分に機械の本体を植え込み、心臓までリード線を挿入して行きます。機械が心臓の鼓動を感知し、心臓の鼓動が途切れたことを検知すると、ペースメーカーは電気的刺激を心臓に送ります。

◆植え込み型除細動器(ICD)とは...

心室頻拍や心室細動などの、突然死の原因となるような不整脈(致死性不整脈)に対して植え込む医療機器です。不整脈を自動で検知して、危険な不整脈と判断すると電気ショックによる治療を行います。心臓の機能が悪い人などはこの機械により、生存期間が延びることが報告されています。ペースメーカー機能も有しており、徐脈にも対応します。

◆両心室ペーシング機能付植え込み型除細動器(CRT-D)

両心室ペーシング機能付植え込み型除細動器(CRT-D)

両心室ペーシングの意義

  • 1. 重症心不全においては、心臓の拡張にともない、心臓刺激伝導系の障害が起こることが多々あります。心臓の部位によって収縮のタイミングがずれると、効率良く心収縮ができなくなります(心臓同期不全)。この同期不全を是正し心収縮を効率良く行うことで心機能を改善する治療法を心臓再同期療法(CRT: Cardiac resynchronization therapy) といいます。
  • 2. 心室の2ヶ所(右心室、左心室)から刺激を加えることにより、収縮のタイミングのずれを少なくします。CRTとは、心不全の根治治療ではなく、心臓内の収縮のタイミングのずれをペースメーカーで補正(resynchronization)することで、心臓収縮の効率を良くし、心臓の負担を軽減させる治療です。
  • 3. CRTの治療により、心臓のポンプ機能が改善する場合があります。残念ながら全例では有りませんが、およそ7割程度の患者さんに心不全の改善効果が認められます。
  • 4. また、心機能が低下した症例では、心室頻拍、心室細動といった致死的な不整脈が出現し、突然死につながることがあります。心機能が低下した症例では、植え込み型除細動器(ICD)による治療が、突然死を減少させ、生命予後を改善させることが知られています。両心室ペーシング(CRT)を行う必要があるほど心機能が低下した症例では、突然死の可能性を減らすために、除細動器機能がついたもの(CRT-D)をお勧めしています。
  • 5. 植え込み型除細動器(ICD)は、不整脈発作が起こった場合に自動的にそれを感知し、1)頻回刺激、2)電気ショック、によって不整脈を停止させる植え込み型の機械です。どの薬物と比べても、突然死の予防効果が高い治療法ですが、不整脈を停止させるときに、精神的、肉体的苦痛を伴う場合があり、時には入院が必要となります。
  • 6. ICD・CRT-Dは、強い電磁波からの影響を受けるために、日常生活に注意が必要となります。詳しくは直接ご説明します。
  • 7. CRT-Dの電池消耗については、作動状況により異なりますが、3-5年程度で入れ替えが必要となります。

両心室ペーシング機能付植え込み型除細動器(CRT-D)植え込み術の方法

  • 1. 術時間は約3-5時間程度を要します。局所麻酔で意識下に行う手術です。
  • 2. 左あるいは右胸部を消毒後、局所麻酔を行い、皮膚を5-7cm程度切開します。
  • 3. 鎖骨の下の静脈を通じて、2-3本の電線(リード線と言います)をレントゲン透視下に心臓の中に送り込みます。右心室、左心室、(場合により右心房にも)リード線をそれぞれ留置します。左心室のリード線は、右心室より心臓の静脈(冠静脈)を通じて、左心室の表面にある静脈に留置します。そのときには、造影剤を使い、冠静脈の走行を見ながら、適切な位置を探します。CRT-D本体とリード線を接続して、全胸部の皮下に植え込みます。
  • 4. 冠静脈の走行、心筋の状態、神経の走行により、両心室ペーシングにふさわしいリード留置部位が見つからないときには、機械の植え込みが出来ない場合もあります。 5. 手術後に、不整脈をわざと起こし、CRT-Dからの電気ショックで停止できるかを確認する場合があります(この時には静脈麻酔を行います)。
  • 5. 植え込み型除細動器(ICD)は、不整脈発作が起こった場合に自動的にそれを感知し、1)頻回刺激、2)電気ショック、によって不整脈を停止させる植え込み型の機械です。どの薬物と比べても、突然死の予防効果が高い治療法ですが、不整脈を停止させるときに、精神的、肉体的苦痛を伴う場合があり、時には入院が必要となります。
  • 6. ICD・CRT-Dは、強い電磁波からの影響を受けるために、日常生活に注意が必要となります。詳しくは直接ご説明します。
  • 7. CRT-Dの電池消耗については、作動状況により異なりますが、3-5年程度で入れ替えが必要となります。

リードレスペースメーカーについて

リードレスペースメーカー

当院では年間80~90件の永久ペースメーカー植え込み術を行っております。従来型のペースメーカーは、リードといわれる電線とリードを通して心臓の脈を制御する本体(および電池)のジェネレーターという機械からなります。この従来型のペースメーカーは、リードを心臓の中に留置し、鎖骨付近に「ポケット」といわれるジェネレーターを留置する場所を皮膚切開によって作成する必要があります。そのためジェネレーターの植え込み部位(鎖骨下)に皮下留置されたジェネレーターによる膨らみや創部瘢痕などが残っていました。ご高齢でやせ型の患者さんの場合、ジェネレーターの植え込みも皮膚に対して負担になることがあり、そのような方にとっては非常に重要な問題でした。さらに、慢性期になってもポケット部の感染症などのリスクもあり、患者さんや普段かかりつけで診療していただいている開業医の先生にとっても負担を感じさせることもありました。

リードレスペースメーカーはその名の通り、心臓につなぐリード(電線)がありません。心臓の中に従来型と同様の機能を備えたカプセル型機械(直径6.7ミリメートル、長さ25.9ミリメートル、重さは1.75グラム)を留置するだけで、鎖骨下に「ポケット」を形成する必要がありません。心臓ペースメーカーは長年、技術向上や機械の小型化が図られてきましたが、ジェネレーターが不要になりポケット作成が不要であるという点で画期的な機械です。専用のカテーテルと呼ばれる大腿静脈から血管を通じて心臓の右心室へ挿入する管を用いて留置します。本体を心筋へ密着させるために本体先端の形状記憶合金の爪(タインと呼びます)によって固定し、脱落を予防します。固定が十分でなかったり、適切な場所でない場合は本体を一度カテーテルに戻して留置し直すこともできます。

心臓内に留置された本体は経年とともに内膜で覆われるため電池の寿命である約12年を経ても取り出さず、電池寿命がきた場合は2つめを留置します。MRI検査も可能です。 最大のメリットは、鎖骨下のポケットの作成やジェネレーターをそのポケットに留置する必要がないため患者さんがペースメーカーを意識せずに日常生活を送ることが可能である点と、手術時間が約1時間程度(従来型は約2時間)と大幅に短縮でき、手術の侵襲という点でも患者さんの負担が軽くなることです。

◆適応となる患者さん

リードレスペースメーカー

徐脈性不整脈の全ての患者さんに適応となるわけではありません。従来型は右心房、右心室に2本のリードを留置し、右心房のペーシングを行うことが可能ですがリードレスペースメーカーは右心室にひとつ留置するだけで心房のペーシングはできません。そのため、心房のペーシングが病態的に必要な患者さんにとっては従来型のペースメーカーの方が望ましい場合もあります。リードレスペースメーカーのもっとも良い適応は徐脈性心房細動の患者さんです。洞不全症候群や房室ブロックと呼ばれる徐脈性不整脈の患者さんの多くは従来型ペースメーカーが必要になります。

ペースメーカー植え込みの必要な患者さん、また開業医の先生方におかれましては是非当院までご相談ください。

カテーテルアブレーションによる不整脈(頻脈)の治療について

カテーテルアブレーションによる不整脈(頻脈)の治療については、こちらをご覧ください。

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