診療科・部門一覧

病理診断科

当科の特徴

病理診断科は、医療の基盤を支える部門であり、平成20年には政令に基づき標榜科となりました。 平成26年度から強化された地域がん診療連携拠点病院の指定においても病理診断科の設置が義務づけられましたが、質の高い医療を提供する病院の要件の一つとして、一般社会にも広く認識されるようになってきました。当院では現在、常勤の病理専門医1名、臨床検査技師7名(うち5名は細胞検査士資格保持者)、医師事務作業補助員1名に加えて、大学の病理学講座より週3~4日、血液病理、肝胆膵、婦人科病理など各領域の専門性の高い非常勤医師の応援を頂き、組織診断、細胞診断、術中迅速診断、剖検の業務を行っています。
適正な剖検数の維持は医療の精度管理に欠くことのできないものですが、定期的に開催される剖検症例検討会(CPC)などを通じて基幹型臨床研修病院におる医師の養成や各領域診療科の専門医育成にも参画し、また日本病理学会専門医研修認定施設、日本臨床細胞学会認定施設として病理を志望する若手の育成にも携わっています。

組織診断

生検材料および切除材料の病理診断を行っていますが、当院では胃や腸、乳腺、肺、子宮、卵巣など手術による切除材料の割合が多いのが特徴です。消化管では低侵襲の内視鏡手術による検体も増加しています。以前より報告書には術材の肉眼所見、組織所見を添付しておりますが、患者さん方をご紹介頂いた地域医療機関の主治医の先生方にも画像などの臨床所見とあわせて病理学的に捉えられる病変の姿をご確認頂き、あるいは患者さん方へのご説明の際にもお役立て頂ければと存じます。
また心筋生検endomyocardial biopsyをはじめとする専門性の高い心臓血管病理の検体について、外部の医療機関からの診断依頼も受託しておりますので、関心をお持ちの先生方は御連絡頂ければ幸いです。

心筋生検・心血管病理検体検査受託 お問い合わせ先
済生会福岡総合病院 病理診断科
電話 092-771-8151(代表) 内線5852


  • 肥大型心筋症


  • 心サルコイドーシス


  • ファブリー病

細胞診断

細胞検査士資格を有する5名の臨床検査技師がダブルチェック体制で多岐にわたる検体のスクリーニングを行い、細胞診専門医でもある病理医が最終診断を行っています。当院での細胞診のターンアラウンドタイムはほぼ全例、24時間以内であり、迅速な報告により臨床的判断を支援しています。当院の細胞検査士は地域の検査技師会、臨床細胞学会支部での活動を中心に研鑽して参りましたが、近年は生涯研修事業で講師を務めるなど、若手の育成にも務めています。

術中迅速診断

近年はテレパソロジーによる術中迅速病理も少しずつ普及して来ましたが、施設基準を満たした場合でも、システム要件による画質の低下や遠隔操作による臓器の切り出しの問題などいくつかの課題が残っており、現時点ではやはり術中に得られる検体を病理医が直接、肉眼診断、切り出しを行い、ガラスのプレパラートを鏡検する方法を超えるものではありません。
当院では、センチネルリンパ節生検、卵巣腫瘍などの組織診断の確定、断端浸潤の有無の判定などを行い、外科系の手術を支援しています。通常、迅速検査の適応については、毎週開催される術前検討会に付議されますが、定例手術でない場合や急な適応についても可能な限り対応できる体制になっています。

剖検

山崎豊子氏もかの有名な医学小説中の病理学者の言葉として「病理解剖は一つの還らぬ生命を次の人の生につなげる尊い手段」と書き記していますが、携わる人間にとって心の洗われる言葉です。当院でも剖検を通じて医学的な追求はもとより死因の解明に全力を尽くし、少しでも御遺族の救いとなるように努めています。剖検させて頂いた全ての症例は医師だけではなく、看護師、技師など職種を問わず多くのスタッフが参加する検討会に賦し、医学の発展と今後の医療に生かせるよう精進しています。

今後の展望

医療技術の進歩により臨床現場から要求される病理組織学的情報量もますます増加してきました。たとえば、がんの組織型の詳細は、近年めざましい進歩をとげている分子標的治療適応決定に不可欠であり、判定に必要な免疫組織学的検査項目も多岐にわたります。病理診断科では院内で可能な検査項目の充実と稀少な専門性の高い疾患にも対応可能なように外部医療機関、検査機関とも連携し、使用頻度の稀な抗体を用いた免疫組織染色、悪性リンパ腫等の細胞解析や遺伝子検索、電子顕微鏡検査など検査範囲の拡充を進めています。また今後も病理組織からの情報が医学、医療の発展に役立つ可能性は多分に残されています。病理診断科でも引き続き臨床研究、症例研究を推進し、各領域の進歩に寄与したいと考えています。

当科の実績

  組織診断数 細胞診断数 術中迅速診断 剖検
2005年 4,097件 5,198件 103件 19体
2006年 4,265件 5,260件 128件 17体
2007年 4,245件 5,674件 130件 21体
2008年 4,056件 5,941件 148件 12体
2009年 4,402件 6,433件 135件 12体
2010年 4,284件 6,441件 137件 18体
2011年 4,599件 6,142件 138件 13体
2012年 4,926件 5,666件 182件 12体
2013年 5,132件 5,497件 144件 11体
2014年 5,143件 5,239件 226件 10体
2015年 5,220件 5,292件 223件 13体
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