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心臓血管外科
当科の特徴
当科では、成人の心臓病(狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、弁膜症)および胸部大動脈疾患(胸部大動脈瘤、大動脈解離など)の外科治療を行っています。循環器内科・血管外科とともに心臓血管・大動脈センターとして、福岡市内での循環器疾患治療の主要拠点を目指しています。また三次救急医療施設として、緊急手術を要する急性大動脈解離や大動脈瘤破裂に対しても24時間体制で迅速に対応しています。
診療実績
心臓血管外科は2011年4月に開設され、心臓および胸部大血管手術(ステントグラフトを含む)の累積手術件数は1,600件を超えました。2023年1月から12月までの手術件数は134件(待機手術104件、緊急手術30件)で、待機手術患者さん104例中の手術死亡(30日以内)は認めませんでした。緊急手術(急性大動脈解離は28例)30件中の手術死亡は4件で13.3%でした。
診療内容
●冠動脈バイパス術
循環器内科チームと合同で検討してカテーテル治療と冠動脈バイパス手術(CABG)の治療選択を決めています。近年、CABGの対象となる患者さんは重症例や複雑なものとなってきています。CABGに際しては多枝血行再建を心がけ、可能な限り人工心肺を使用しない心拍動下の冠動脈バイパス手術を行い低侵襲化を心がけています。一方、虚血性心疾患を合併した弁膜症や胸部大動脈瘤手術に際しては積極的に同時手術を行っています。
●弁膜症手術
弁膜症手術では、慎重な手術および周術期管理をモットーに、80歳を超える超高齢の方や全身状態が不良な方にも積極的に手術を行っております。僧帽弁に対しては基本的に形成術を行っており、前尖を含む複雑病変に対する形成も行っています。
●胸部大動脈瘤手術・胸部大動脈ステントグラフト内挿手術
従来の開胸下人工血管置換手術に加えて2011年12月より胸部大動脈ステンドグラフト治療を開始し、大動脈疾患に対する治療選択肢が拡大しています。ステントグラフトとはステントとグラフト(人工血管)とを組み合わせたものです。足の付け根の動脈から細く折り畳まれた状態で挿入し、動脈瘤の位置に合わせて血管の中で拡げることで動脈瘤への血流を遮断させる治療法です。高齢者や内臓障害を伴うため、従来の人工血管置換手術が困難な方に適した治療法です。大動脈瘤の場所や血管の性状によっては行えない場合もあります。
●大動脈解離手術
急性大動脈解離は突然発症し、未治療の場合死亡率が高い危険な病気です。当院では循環器内科・心臓外科が連携して診断、治療を行っています。解離の部位によりA型とB型に分類されます。A型急性解離に対しては緊急手術による人工血管置換術を行っています。B型急性解離に対しては安静・降圧療法を原則としていますが、大動脈径が大きい場合や短期間に拡張が進む患者さんに対しては早期のステントグラフト治療を行っています。
心臓血管外科の外来診療は、毎週火・水・金曜日で、循環器内科・血管外科と共に心臓血管・大動脈センターでお互いに相談しながら、連携良く運営しています。かかりつけのドクターからのご紹介の際には、ぜひ地域医療連携室をご利用ください。
地域の先生方におかれましては、心臓大血管疾患の外科治療につきまして随時ご相談に応じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
学会認定一覧
日本外科学会専門医制度修練施設
三学会構成 心臓血管外科専門医認定基幹施設
専門医制度と連携したデータベース事業について
日本心臓血管外科データベース機構(JCVSD)および日本外科学会のデータベース(NCD)に参加しました。当院の手術成績を全国規模で公開しています。
実績
手術件数の推移
手術対象疾患の年次推移