病院について

2023年度 済生会福岡総合病院 病院情報の公表

当院では、DPC包括支払制度のDPCデータを用い、全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成、情報公開を行なっています。

病院指標

医療の質指標

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 85 451 455 968 1379 1831 2830 1860 513
2023年度の退院患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢は入院時の満年齢です。
当院は、地域医療支援病院・地域がん診療連携拠点病院・3次救急医療施設として、幅広い疾患を診療しています。
年齢階級別の退院患者数をみると、60歳以上が6割を超えており、今後はさらに高齢化の傾向が続くと考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 104 5.01 8.75 3.85% 71.36 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 101 11.65 13.99 3.96% 66.61 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 96 2 2.61 0% 64.46 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 94 18.18 18.65 13.83% 74.64
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 65 6.89 7.61 0% 71.83 患者用パス
内科では内分泌・代謝、消化器(消化管、肝胆膵)、呼吸器、感染症、腎臓など多岐にわたる疾患を診療しています。症例数では胆管炎、糖尿病、消化管のポリープ、肺炎が症例数の上位でした。救急から待機的な治療までを行っている当科の現状を反映していると考えます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 404 3.84 4.57 0.25% 66.36 患者用パス
患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 323 3.90 4.26 0.62% 70.16 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 112 13.77 17.38 23.21% 81.22
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 97 8.98 9.77 5.15% 78.33 患者用パス
患者用パス
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 87 8.49 11.54 1.15% 68.77
長寿社会と生活習慣病の増加により、心臓や血管の様々な病気でお困りの患者さんが増えています。我々はこのような循環器疾患を多数扱っておりますが、なかには一刻を争う重症の緊急疾患もあり、24時間365日にわたり専門医が診療できる体制を整えております。
2023年度に我々が治療させていただいた疾患の中で最多のものは、続いては頻脈性不整脈に対するカテーテル治療(心筋焼灼術=アブレーション)でした。脈のリズムが乱れ、脈拍数も速くなる病気で、放っておくと心不全や脳梗塞のリスクが高まります。従来は薬物による予防治療が主体でしたが、近年は治療技術の進歩によりカテーテルを用いて早期に介入することで不整脈の原因を根治することが可能になりました。最新の治療機器を用いて合計で404例という福岡市内でも有数の症例を治療させて頂きました。
次に多かったものは虚血性心臓病=狭心症でした。心臓の筋肉に血流を供給する冠動脈が動脈硬化を背景に狭くなることで、胸の痛みや圧迫感が現れます。薬物治療が基本ですが、カテーテルを使用して冠動脈を拡げることでも症状が緩和されます。より重症の急性心筋梗塞に対するカテーテル治療についても多くの症例を治療させて頂きました。どちらの疾患も全国平均と比較して短期間の入院期間で治療をさせていただいております。
また、昨今患者数の増大やしばしば治療が長期間に及び時に難渋することが社会問題となっている心不全については、心不全チームを結成して多職種による介入に力を入れております。病気のみならず患者さんの社会背景や生活基盤などを地域の先生方と連携して根気強く支えていけるように努力を継続しております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 72 4.36 5.98 0% 60.17 患者用パス
患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 90 8.0 10.1 2.2% 68.5 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 60 7.3 9.88 0% 62.12 患者用パス
患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 57 8.54 10.42 1.75% 76.74 患者用パス
060160x001xxxx 鼡径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術等 54 2.46 4.55 1.85% 67.74 患者用パス
・ 外科診療症例は、悪性腫瘍(消化管、肝胆膵、肺、乳腺など)、大血管(大動脈瘤)、末梢血管疾患(動脈、静脈)、さらに緊急手術症例(急性虫垂炎、腸閉塞、急性胆嚢炎、消化管穿孔、大動脈瘤破裂、急性動脈閉塞、気胸など)が主な対象となる疾患です。
・ 悪性腫瘍については、手術と化学療法や放射線療法を組み合わせた集学的治療による治療成績の向上に努めています。
・ 緊急手術では、術後人工呼吸器管理や透析などの集中治療を要するような重症症例が多く、院内の関連する各科と連携しチーム医療の充実を図り、安全で安心な質の高い外科診療を行うよう努めています。
・ロボット支援下手術や腹腔鏡手術による低侵襲な治療を積極的に行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990200 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 48 14.5 19.02 54.17% 79.71 患者用パス
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 47 10.72 15.57 14.89% 67.3 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 5.9 7.2 13.79% 64.41
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし15歳以上 26 15.8 16.56 7.69% 51.92
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 20 16.3 19.17 65% 69.35 患者用パス
症例数は増加傾向で、平均在院日数は全国に比して短期間を維持している。現状維持に努めたい。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 108 22.61 25.5 84.49% 82.22 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 94 17.59 21.96 78.72% 73.81 患者用パス
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 39 4.85 4.76 2.56% 52.62 患者用パス
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く)足、指(手、足)その他等 29 17.48 18.32 27.59% 57.14 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等 26 18.31 19.55 76.92% 67.92 患者用パス
高齢者の増加に伴い、大腿骨転子部骨折、大腿骨頚部骨折などの脆弱性骨折の症例数は依然として最も多い結果でした。
当院では周術期に他科の医師と連携をとって診療を行い、合併症のある患者さんの手術でも安全に行うことが出来るため、高齢者の骨折をご紹介していただくことが多くなっています。
新型コロナ感染症の影響(利用できるベット数・転院に関する他施設様の受け入れ困難など)は依然としてありましたが、昨年度と比較して症例数は増加し、平均在院日数も減少していました。
関節外科疾患に対する手術について、特に変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術では、昨年度と比較してさらに手術数・入院数が増加しています。
また当院は3次救急病院であるため交通外傷や墜落外傷に伴う多部位外傷も多く、救急科と連携して診療を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx02000x 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 3.71 4.63 0% 34.38 患者用パス
患者用パス
患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 20 3.4 3.93 0% 44.85
100100xx97x0xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2なし 14 17.64 24.94 28.57% 71.71
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 12 2 2.82 0% 69.5 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし
当院が市内中心部にあるため、交通事故などによる顔面外傷の症例が多くなっています。近医皮膚科及び内科等の先生方より皮膚・皮下腫瘍の手術をご依頼頂くことも多いです。また最近では近辺の眼科の先生方より眼瞼下垂症の手術をご紹介いただいています。眼瞼下垂は先天性眼瞼下垂の方にも手術を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 65 11.49 9.88 27.69% 77.95 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 56 13.8 19.09 64.29% 62.63 患者用パス
患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 55 2.11 2.95 0% 61.47 患者用パス
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2なし 38 7.76 8.94 0% 60.45 患者用パス
患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 31 10.97 8.38 29.03% 67.65 患者用パス
脳神経外科では、頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術ありが最も多い疾患でありました。その大多数は慢性硬膜下血腫の症例です。入院後に早期からリハビリテーションを含めた管理を行い、転院率は27.7%と比較的に低くなっています。
2番目は非外傷性頭蓋内血腫となります。高血圧性脳内出血が大部分を占めており、何らかの障害が残存し64.3%がリハビリ目的の転院をします。
3番目は未破裂脳動脈瘤になります。こちらは治療前後の血管撮影の検査入院が主体で平均在院日数(自院)は2.1日となります。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050161xx97x1xx 大動脈解離 その他の手術あり 手術・処置等21あり 25 25.64 28.09 32% 65.24
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 15 22.67 21.53 6.67% 68.87
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 11 14 10.42 0% 76.45
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2?1あり 27.58
050163xx03x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤ステントグラフト内挿術 手術・処置等2?1あり 14.7
当科では成人の心臓および胸部大血管の手術治療を行っています。対象疾患は、心臓弁膜症、虚血性心臓病、胸部大動脈瘤です。
2023年度も例年同様に大動脈解離を始めとした開胸大動脈手術が中心となりました。またステント治療も積極的に行っており、開胸手術と組み合わせた複合手術も行いました。重症な症例も多くありましたが、入院期間は全国比較として短い傾向にあり、大きな合併症もなく社会復帰を達成することが可能でした。
僧帽弁形成術を始めとした弁膜症の手術も安定した成績を維持しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 20 2 2.44 0% 69.55 患者用パス
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 13 5.85 6.59 0% 78.38 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 12 12.83 13.52 33.33% 72.67
福岡市前立腺がん検診の精密検査実施医療機関に登録しまして、PSA(前立腺特異抗原)高値の方には、1泊2日の入院で、安全に精密検査(経直腸的前立腺針生検)を行っております。これまで特に大きな合併症なく検査を行っております。
また、当院は「福岡地区三次救急医療機関」であるため、重度の尿路感染症で緊急入院をされる方も多く、他科と協力しながら迅速に対応をしております。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 131 5.9 6 0% 39.4 患者用パス
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 113 3.02 2.96 0% 42.42 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 107 5.68 5.93 0% 45.64 患者用パス
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 90 9.46 10.1 1.11% 58.32 患者用パス
患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 77 8.74 9.23 0% 45.38 患者用パス
患者用パス
産婦人科症例は良性腫瘍(子宮筋腫、卵巣嚢腫など)から悪性腫瘍(子宮体がん、子宮頸がん、卵巣がんなど)までのほとんど全ての婦人科腫瘍、婦人科救急疾患(異所性妊娠、卵巣嚢腫茎捻転、卵巣出血など)、が主な対応疾患となります。
子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症などの良性腫瘍では低浸襲の腹腔鏡手術が全手術症例の50%以上を占めています。
悪性腫瘍については主に診断目的の子宮頸部切除術から子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんに対する後腹膜リンパ節郭清を含めた子宮全摘術、広汎子宮全摘術を行っています。
悪性腫瘍に対する低侵襲手術として、初期子宮体がんに対する腹腔鏡による子宮全摘(リンパ節郭清含む)、初期子宮頸がんに対する腹腔鏡下子宮全摘術が増えています。2023年6月よりロボット支援下手術を導入しました。化学療法はほとんどを外来で行なっています。
良性、悪性共に在院日数は全国平均を下回っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 77 2 2.54 0% 72.3 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 41 4.9 4.46 0% 74.71 患者用パス
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし
020180xx97x1x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等21あり片眼
眼科入院の多くが手術目的であり、白内障手術が大部分を占めています。令和6年度より両眼白内障手術は4泊5日から3泊4日入院となっています。白内障手術以外にも緑内障手術や硝子体手術などの手術を行っています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 121 4.19 6.02 0% 49.3 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 59 6.44 7.53 0% 29.54 患者用パス
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 45 5.13 6.75 0% 55.56 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 30 5.03 5.51 0% 34.43 患者用パス
030320xxxxxxxx 鼻中隔弯曲症 26 4.42 5.8 0% 42.19 患者用パス
当科では、副鼻腔疾患や鼻腔疾患(アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症による鼻閉)を中心に診療をしています。
アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症などは、副鼻腔炎と同時に行っている場合は、副鼻腔炎としてカウントされるので、手術件数や入院の目的の分類と異なるところがあります。
手術中の止血方法やパッキング材を改善していて、入院期間は今後もう少し短縮してくると考えます。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 47 2.06 3.62 6.38% 33.47
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 19 15.21 20.6 63.16% 82.58
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 17 5.06 9.88 5.88% 68.88
180010x0xxx3xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等23あり 16 28.13 37.35 50% 70
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等22あり 15 16.53 31.28 60% 75.93
救急科は集中治療が必要な重篤患者さんや、複数診療科が係わる必要のある外傷の患者さんを主に入院管理しています。よって、対象とする疾患が多岐にわたります。
主な疾患は、多発外傷・急性薬物中毒・敗血症・広範囲熱傷・環境要因による熱中症や低体温症などです。多発外傷については、脳神経外科・外科・整形外科など必要な科と連携して集学的に治療することが、生命予後や機能予後の改善に不可欠です。また、急性薬物中毒については、身体的治療に加え、精神科的介入も不可欠です。当院には常勤の精神科はないため、身体的治療を行った後、精神科病院へ紹介させて頂いています。
敗血症は、感染症内科や各臓器専門の内科などと連携し治療を行っています。一般的に、頭部外傷の患者さんは、脳神経外科入院となりますが、手術を必要としない軽微な外傷は、脳神経外科のサポートのもと、救急科で入院管理も行います。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 42 21.38 20.6 50% 83.52
040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎 手術あり 手術・処置等2なし 16 39.38 36.11 37.5% 85.56
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 10 12 12.88 20% 72.2
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 10 18.4 13.52 40% 81.7
100380xxxxxxxx 体液量減少症
当院の総合診療部では、主に「多臓器にまたがる複合した疾患の患者」や「不明熱などの診断未確定の患者」の入院診療を行っています。したがって、入院患者の年齢はほとんどが高齢者で、多臓器にまたがる複合した疾患の患者を治療するために平均在院日数は長く、ほとんどの患者が自立困難であるために転院率は高くなっています。
症例は、内因性では主に誤嚥性肺炎のような呼吸器疾患、胃腸炎やイレウスなどの消化器疾患、尿路感染症などの腎泌尿器疾患、そして、蜂か織炎などの感染症の4つの疾患が多く、外因性では圧迫骨折や急性腰痛症などの整形外科非手術適応疾患が多くなっています。
令和5年度は、誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし、誤嚥性肺炎手術あり 手術・処置等2なし、膿皮症 手術・処置等1なし、腎臓または尿路の感染症 手術なし、体液量減少症の順となりました。令和5年度は、第2位に誤嚥性肺炎手術あり 手術・処置等2なしが入りましたが、この手術の内容は輸血・胃瘻造設術などでした。高齢化に伴い内科疾患の治療だけはなく同時に手術手技が必要な患者が増加していることが伺えます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 85 16 11 20 12 1 8
大腸癌 49 67 53 74 32 22 2 9
乳癌 44 24 1 8
肺癌 61 22 45 81 15 64 1 8
肝癌 13 10 67 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
「5大がん」と呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん患者さんの数を初発の UICC 病期分類別で初発および再発に分けて集計しています。
UICC 病期分類: 国際対がん連合(UICC)によって定められた〈1〉原発巣の大きさと進展度(T)、〈2〉所属リンパ節への転移状況(N)、〈3〉遠隔転移の有無(M)の 3つのカテゴリによって各がんをI期からIV期の4病期(ステージ)に分類するものです。2019年度に退院した患者さんを集計し、集計対象期間中に複数回入院された患者さんはそれぞれ集計をしております。「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者さんを診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 17 10.24 56.41
中等症 64 14.09 74.48
重症 28 17.96 80.54
超重症 14.33 91.67
不明 0 0 0
本年度も肺炎の重症度に伴い、平均年齢は高くなり、入院期間も長くなる傾向が見られた。誤嚥性肺炎も多く含まれるので、概ね14日間の入院期間となった。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 285 15.95 73.71 38.61%
その他 31 19.77 68.55 3.8%
当院は急性期病院であり、脳梗塞も発症3日以内の急性期入院が高い割合となっています。症例数は昨年度と同程度でした。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 88 2.1 2.19 1.14% 66.93 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 75 1.35 4.76 5.33% 72.04
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 66 1.2 3.74 6.06% 71.18
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 63 1 4.98 0% 72.05 患者用パス
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 51 0.92 3.92 0% 63.9 患者用パス
内科での手術件数は、消化管のポリープや癌、胆管炎(結石性、悪性)に対する内視鏡治療が上位でした。がん診療および救急治療を行っている当院の現状を反映している結果でした。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 369 1.25 2.14 1.08% 67.73 患者用パス
患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 191 1.59 2.43 0.52% 70.27 患者用パス
K5481 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル) 76 1.7 4.08 5.26% 73.83 患者用パス
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 76 0.03 16.38 14.47% 69.51
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 74 1.43 3.85 8.11% 72.01 患者用パス
循環器内科ではカテーテルを使用した様々な治療(手術)を実施しております。外科的治療(手術)と比較して、身体への侵襲が少なく、より短期の入院期間で治療可能であるのが利点です。狭心症や心筋梗塞といった冠動脈=心臓の周囲の動脈に対する風船・ステント治療以外にも、足の動脈硬化に対する治療も実践しており、一部の症例では血管外科と共同してバイパス術とカテーテル治療を一度に行うハイブリッド治療も実施しています。いずれも福岡市内では有数の症例数であり、アテレクトミーカテーテルや新規のバルーン・ステントなど、常に最先端の医療機器を積極的に取り入れることで診療の質の向上に努めております。また頻脈性不整脈や重症の心不全に対するペースメーカー治療も多くの症例を経験しており、電極を使用しない超小型のペースメーカー(リードレスペースメーカー)や血管外に留置する皮下植込み型除細動器などを、個々の症例の特性に応じて使い分けることで、より幅広い患者さんのニーズに対応させていただいております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 132 1.23 2.8 0% 61.05 患者用パス
患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合)含む 74 3 8.77 6.76% 69.76 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 52 1.21 8.65 9.62% 75.71 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 47 0.32 1.57 4.26% 67.19 患者用パス
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 42 0.43 2.29 0% 44.48 患者用パス
患者用パス
・ 手術を行う際、可能な限り外来にて術前検査を終了し、手術前日あるいは当日に入院していただくようにしています。またご高齢の方は術後の状態が安定していても、ADLの低下などで在宅での自宅療養が困難な場合があります。その際は連携施設へ転院してリハビリを行って頂きADLが向上した後に自宅に退院していただいております。このようにそれぞれの病院の得意とする分野で役割分担を行い、入院日数を短縮させる取り組みを行っております。それにより、超急性期病院としての役割である救急患者さんを可能な限り多く受け入れることが出来るようになります。
・大腸(結腸・直腸)悪性腫瘍手術は低侵襲なロボット支援下手術や腹腔鏡下手術の割合が大多数を占めており術後の経過も良好で退院までの日数も短くなってきています。当院では後期高齢者の高度進行癌や多くの並存疾患を有する患者さんが多いため連携施設へ転院後、ADLが向上してから自宅退院とすることがあります。
・ ステントグラフト内挿術の普及により、今まで合併症や高齢等の理由で手術が出来なかった症例に対しても治療を行うことが可能となるケースが増えています。そのため術後は寝たきりとならないようにする必要がありますので早期の転院・退院を勧めております。
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 22 0.73 20.5 68.18% 78.55
K597-3 植込型心電図記録計移植術 17 9 2.76 23.53% 64 患者用パス
K386 気管切開術
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術
K178-2 経皮的脳血管形成術
手術件数は高い水準を維持しています。現状維持に努めてまいります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股、膝) 121 1.3 15.56 78.51% 72.4 患者用パス
患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 83 2.98 16.58 73.49% 77.86 患者用パス
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕、下腿) 50 1.1 3.58 0% 57.04 患者用パス
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿) 42 2.64 11.62 19.05% 57.43 患者用パス
K0811 人工骨頭挿入術(股) 39 4.64 17.38 87.18% 85.95 患者用パス
関節外科に対する手術が2020年度より開始されており、年々増加傾向となっております。特に変形性関節症の入院:人工膝関節置換術を筆頭に人工股関節置換術の症例数が増加しています。
また外傷・骨折疾患の症例数も昨年度より増加しており、骨折では大腿骨転子部骨折、大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折などの脆弱性骨折の症例や、若年者の下腿骨の症例が昨年度より増加していました。
いずれも、早期にリハビリテーションを行い、早期に退院または転院していただくことを心がけています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 13 0 1 0% 70.69 患者用パス
K0871 断端形成術(骨形成を要する)(指) 12 1.75 22.17 33.33% 72.08
K227 眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む) 10 1 1.7 0% 33.2 患者用パス
当院の形成外科の分野では全身熱傷も含めた顔面骨骨折等の外傷が多いのが特徴です。難治性潰瘍に対する指趾切断や四肢切断術も行っています。上記以外にも他科手術の再建や合併症に対する手術を行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 59 0.56 8.59 25.42% 79.78 患者用パス
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステントを用いるもの) 35 1.26 8.54 5.71% 63.06 患者用パス
患者用パス
K1781 脳血管内手術(1箇所) 26 1.96 15 23.08% 59.15 患者用パス
患者用パス
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 21 0.9 18.1 23.81% 62.24 患者用パス
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) 12 4.5 11.17 16.67% 73.5 患者用パス
脳神経外科では、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多く、次は、脳血管内手術(脳血管内ステントを用いるもの)、脳血管内手術(1箇所)、脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)、動脈血栓内膜摘出術、となっております。慢性硬膜下血腫は高齢者に多く、今後の高齢者社会のためにさらに増加することが見込まれます。
脳動脈瘤に対する血管内手術、クリッピング術は未破裂ならびに破裂例で行っております。未破裂例では術後1週間程度の自宅退院が可能ですが、破裂例では必要に応じてリハビリテーション転院を行います。血管内治療指導医および外科治療の指導医が密に連携することで治療成績の維持に努めています。脳動脈瘤の形態、部位、患者様の希望や背景などを考慮して脳動脈瘤頸部クリッピングまたは脳血管内手術で最適な治療法を選択しています。
また脳梗塞の予防のための手術として、動脈血栓内膜摘出術を行っております。こちらも高齢化に伴い、今後の増加が考えられます。平均術後日数は11.2日です。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K560-22ニ オープン型ステントグラフト内挿術(上行・弓部同時、その他) 20 4 19.05 30% 65.75
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 20 2.5 20.1 20% 75.3
K5601ニ 大動脈瘤切除(吻合又は移植を含む。)(上行大動脈)(その他のもの) 13 1.08 22.38 30.77% 69.69
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 10 6.2 19.9 10% 62.5
K5551 弁置換術(1弁のもの) 10 2.7 17.1 0% 72.4
当院の特徴は大動脈解離が多いことですが、年齢も若く、今後の予後も考慮してオープンステントを使用した弓部大動脈置換を要する症例が多い結果となりました。また高齢者には上行大動脈人工血管置換術を行い、救命手術を達成することが多い傾向でした。ステントグラフト内挿術は、高齢者(70歳以上)や開胸手術が高リスクの胸部大動脈瘤(弓部大動脈瘤、下行大動脈瘤)を対象に行い、低侵襲な治療であるために在院日数も短く、良好な社会復帰が可能でした。また冠動脈バイパス手術に関しては、低侵襲を考慮して人工心肺を使用しない手術を行い、良好な経過を示すことができました。感染性心内膜炎に対する手術も多く、弁置換術を行ったことも特徴に挙げられます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 21 2.57 6.33 4.76% 79.43 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 16 1.06 4.81 6.25% 70.88 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)
K8352 陰嚢水腫(その他)
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用)
当科は一人体制のため、主に経尿道的手術、小切開手術を中心に行っております。外科、婦人科の悪性腫瘍による尿管狭窄の方や、尿管結石にともなう閉塞性腎盂腎炎の方に対して、積極的に経尿道的尿管ステント留置術を行っております。下部尿管の結石に対しては、当科でそのまま加療をしております。
また、膀胱腫瘍に対しても経尿道的手術を行っております。ほとんどの方が、血尿などの症状があってみつかる膀胱腫瘍ですが、健康診断の尿潜血からみつかる膀胱腫瘍の方もおられますので、二次検診にも力をいれております。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 150 0.97 3.93 0% 39.52 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 117 1 4.03 0% 48.26 患者用パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 113 1 1.02 0% 42.42 患者用パス
K877 子宮全摘術 70 0.99 6.77 1.43% 52.99 患者用パス
K879 子宮悪性腫瘍手術 57 1.12 9.04 1.75% 57.81 患者用パス
腹腔鏡による子宮附属器腫瘍摘出術と子宮頸部前がん病変に対する子宮頸部切除術が多く、全手術の約30%を占めています。当院での手術症例は可能な限り外来での術前検査を行い、良性腫瘍、悪性腫瘍は鏡視下手術、開腹手術ともに前日入院としています。従来、子宮頸部切除術、子宮鏡下ポリープ切除は手術当日に入院し翌日退院でしたが、コロナウィルス感染の確認のため前日入院となっています。子宮内膜掻爬術(主に侵襲の少ない吸引法)は外来手術として日帰りで行なっています。子宮筋腫や子宮腺筋症に対する子宮全摘術の場合、子宮が小さければ腹腔鏡下の膣式子宮全摘術を行います。術創が小さく早期退院が可能となります。鏡視下での手術が困難な大きな子宮筋腫や癒着が予想される子宮内膜症、腺筋症に対しては開腹での子宮全摘術を行います。子宮悪性腫瘍手術は子宮体癌に対する腹腔鏡での手術が主となっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 119 1 1.02 0% 73.24 患者用パス
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 10 0.4 2.1 0% 69.7
K2682イ 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法)
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他)
K279 硝子体切除術
眼科手術では白内障手術がほとんどを占めています。白内障手術以外では緑内障手術や硝子体手術などの手術を行っています。白内障に関しては平均年齢が70歳をこえ、比較的高齢患者さんが多くなっています。全身合併症や眼合併症のある患者さんが多く、原則入院での手術を行っていますが、2022年度より日帰り白内障手術が行えるように環境を整えております。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 91 1 2.21 0% 49.3 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 56 1.14 4.7 0% 29.98 患者用パス
K347 鼻中隔矯正術 29 1 2.48 0% 41.34 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 23 1.0 2.39 0% 50.04 患者用パス
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 19 1 4 0% 52.21 患者用パス
アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症など鼻腔の機能改善を図るための手術は件数が多いのですが、副鼻腔炎と同時に行っている場合もあり、主たる手術の側にカウントしますので、実際の手術件数よりは少なく計上されています。
頭頸部腫瘍の手術として、耳下腺や顎下腺といった唾液腺腫瘍の手術が多くなっています。いずれの手術も今後は手術当日に入院するようにもしてゆくので、術前日数は短縮してくると考えます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 22 0.21%
180010 敗血症 同一 59 0.55%
異なる 34 0.31%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 25 0.23%
異なる
・播種性血管内凝固症候群
血液凝固反応の亢進、血小板の活性化をきたし持続的に全身の細小血管内に血栓を生じ、諸臓器の循環不全、機能不全に至る重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入される場合もあり、該当するDPCで高額な点数が設定されています。
・敗血症
皮膚や粘膜、種々の臓器の感染巣から細菌が血中に入り全身に播種される重症な感染症のことです。治療に大きな医療資源が投入される場合もあり、該当するDPCで高額な点数が設定されています。
・手術・処置等の合併症
手術や処置などに起因して発生した、主に術後の出血や創部感染などの病態のことです。手術の術式や患者さんの状態に関わらず発生する可能性があり、医療ミスとは区別されます。
・手術・処置等の合併症項目の内訳
ICDコード 名称 件数
T827 その他の心臓および血管の人工器具、挿入物および移植片による感染症及び炎症性反応
T814 処置に続発する感染症、他に分類されないもの
T810 処置に合併する出血及び血腫、他に分類されないもの
T828 心臓及び血管のプロステーシス、挿入物及び移植片のその他の明示された合併症
T886 適正に投与された正しい薬物及び薬剤の有害作用によるアナフィラキシーショック
T824 血管透析カテーテルの機械的合併症
T845 体内関節プロステーシスによる感染症及び炎症反応
T840 体内関節プロステーシスの機械的合併症
T813 手術創の離開、他に分類されないもの
T818 処置のその他の合併症、他に分類されないもの
※10症例未満は割愛させていただきます。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) 分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
1,695 1,434 84.60%
手術患者は、手術室入室時に「静脈血栓症リスク評価」が100%実施できていることを確認している。
そのうえで、予防対策の実施率が84.6%にとどまるということは、以下の2つの要因が考えられる。
①予防対策が実施できていない
②予防対策を実施しているが、加算チェックがもれている
現在、手術室で新たに間歇的空気圧迫(SCD)を使用した際、加算チェックは病棟帰室後に病棟看護師へ任せている。今後は、使用した手術室で算定チェックを実施することもふまえて検討していく。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子) 血液培養2セット実施率
3,048 2,997 98.33%
血液培養検査は感染症の起炎菌検索のために行われ特に菌血症の診断には不可欠であり、2set以上の採取が検査の感度や精度を高めます。1setでは偽陽性の場合もあり過剰な治療に繋がる可能性があるため、2set以上の採取が必要です。
当院は3次救急医療機関であり菌血症を疑う重症患者が多く搬送されることもあり、医師を始め多くの職種が2set採取の必要性を理解しており高い2set実施率を維持しております。感染対策チーム(ICT)は院内全体の理解を深めるために、血液培養に関する研修を入職時(研修医と新人看護師)に行い、また随時、院内カンファレンスやICTニュース等で情報提供を行っています。
1set採取の場合には、主治医に連絡して採取の指導や追加の培養採取を行っています。培養結果が偽陽性でコンタミネーション(雑菌の混入)と判断された場合には、採取者に連絡し指導をするなどフィードバックも行っています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
589 550 93.38%
広域抗菌薬を使用し続けると薬剤耐性菌が増加し、選択できる抗菌薬が少なくなります。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や周囲への拡大、治療の難治化に繋がるため、当院では抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が抗菌薬投与前の適切な検体採取(特に血液培養)が行われているか監視しています。必要な検査が行われていない場合にはASTより主治医に連絡し検査を指導しています。年々培養検査への意識は高くなっており、細菌培養実施率は高い水準で推移しています。また、広域スペクトル抗菌薬を使用する場合には主治医と連携し抗菌薬選択(de-escalation含め)や必要な培養のアドバイスなど治療の支援も行っています。
更新履歴
2024/09/30
DPCの機能評価係数Ⅱ(体制評価指数)医療の質向上に向けた取組における「病院情報」を更新しました。
2023/09/28
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を更新しました。
2022/09/30
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を更新しました。
2021/10/01
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を更新しました。
2020/09/28
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を更新しました。
2019/09/30
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を更新しました。
2018/09/28
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を更新しました。
2017/09/28
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を更新しました。
2016/09/28
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を公開しました。

病院実績

この病院実績は、病院のさまざまな機能を指標化して表したものです。このような指標を用いて、地域のニーズに応じた医療の提供ができているかを確認しながら、日々の診療を行っております。

01.年間新入院患者数

2023年度

10,724

一年間に入院された患者さんの数です。

年間新入院患者数

02.年間外来患者数

2023年度

132,187

一年間に外来を受診した患者さんの数です。

年間外来患者数

03.平均在院日数

2023年度

10.6

平均在院日数とは、患者さん一人一人が平均何日間入院しているかを示す指標です。当院のような急性期病院では、効率的な医療を提供し、患者さんの早期社会復帰の促進を示す指標としても用いられます。

平均在院日数
  • 当院値の定義・算出方法

    分子:2023年度の年間在院患者延べ数
    分母:(2023年度の新入院患者数合計+退院患者数合計)/2

  • 参考値の定義・算出方法

    分子:年間在院患者延べ数
    分母:(年間新入院患者数+年間退院患者数)/2
    〔参考〕厚生労働省:令和4年(2022年)医療施設
       (動態)調査・病院報告(一般病床)

04.病床利用率

2023年度

83.7 %

病床利用率とは、病院のベッドがどの程度稼働しているかを示す数字です。
100%に近いほど空いているベッドが無い状態で利用されていることになります。

病床利用率
  • 当院値の定義・算出方法

    分子:年間在院患者延べ数
    分母:許可病床数×365日

  • 参考値の定義・算出方法

    分子:年間在院患者延べ数
    分母:許可病床数×365日
    〔参考〕厚生労働省:令和4年(2022年)医療施設
       (動態)調査・病院報告(一般病床)

05.救急車受入台数

2023年度

4,217

当院に搬入された救急車・ドクターヘリの年間台数です。

救急車受入台数

06.手術室手術件数

2023年度

4,163

手術室で行った手技件数です。

手術室手術件数

07.紹介率(地域医療支援病院の計算式による)

2023年度

91.0 %

地域の医療機関などから紹介された患者さんの割合です。

紹介率(地域医療支援病院の計算式による)
  • 当院値の定義・算出方法

    分子:紹介患者の数
    分母:初診患者の数

臨床指標

臨床指標(QI:Quality Indicator)とは

QIとは、医療の質を数値化することによって客観的に評価する指標のことをいいます。これによって、病院が提供する医療のプロセスや最終結果(アウトカム)の中に潜在している課題や改善点を見つけ出して、ひとつひとつ改善していくことができます。
当院では2012年に済生会「医療の質の評価・公表等推進事業」、そして日本病院会「QIプロジェクト」へ参加したことをきっかけにQI委員会を設立しました。当院独自の臨床指標に基づき、さらなる医療の質向上を目指し改善に取り組んでまいります。

診療プロセス

アウトカム

医療安全

チーム医療

治療・手技

救急医療

患者満足

その他

QI大会

第2回QI大会開催について

当院では診療科や各部門でQI(臨床指標)を独自に設定し、医療の質向上に取り組んでいます。この大会はその活動内容・成果などを病院全体で共有し、当院の更なる医療の質向上に繋げること、また、担当者が自ら取り組み内容を発信し、モチベーション向上に繋げることを目的として行っています。2023年9月26日に開催した模様について、以下よりご覧ください。

転倒転落による損傷発生率/安全管理

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MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)新規発生率(‰)/ICT

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特別食加算算定率/栄養部

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Door to Balloon Time 90分以内実施率/循環器内科

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大腿骨近位部骨折に対する早期手術/整形外科

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