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乳腺外科 - 乳がん検診

乳がん検診

日本では乳がんにかかる女性が年々急速に増えています。現在、日本人の女性がかかるがんのうち、「乳がん」は最も頻度が高く、生涯のうちに乳がんにかかる女性の割合は9人に1人といわれています。しかし乳がんは早期に発見して治療を行うことで、多くの場合は病気が治ります。また、手術に際しても乳房を全摘せずに残すことができる可能性も高くなります。実際に欧米では、マンモグラフィーによる乳がん検診で乳がん死亡率を減らすことができています。こういった背景から、近年、日本でも診察(視触診)に加えてマンモグラフィーによる乳がん検診が行われるようになりました。地方自治体での乳がん検診は、マンモグラフィーと視触診を併用して行います。40歳未満の方には超音波検査を行うこともあります。

マンモグラフィー検診施設画像認定証 ●マンモグラフィーによる乳がん検診

当院では、乳がん検診で、マンモグラフィーと視診・触診を併用して行います。 実際にマンモグラフィーを用いた乳がん検診では早期乳がんが見つかることがよくあります。視触診だけによる検診に比べると、2~3倍早期に発見される確率が上がります。もちろん通常のレントゲン撮影と同様に、エックス線の医療被爆はありますが、健康に悪影響を与える心配はありません。ただ、妊娠中の方には超音波検査による検診をおすすめしています。
※マンモグラフィーと超音波検査は女性技師が行っています。
※当院は、マンモグラフィー検診 施設・画像認定施設に認定されています。

マンモグラフィー検診の弱点
マンモグラフィーでは、がんは白く写り、脂肪は黒く写ります。そして正常乳腺は白く写るので、乳腺量が多い人はバックが白くなります。つまり、白いバックに白いがんはコントラストがつかず、非常に分かりにくくなってしまいます。 こういった場合には、しこりは手ではっきり触れることが出来ていても、マンモグラフィーでは分からないという場合も出てきます。特に若い方は乳腺量が多いため、マンモグラフィーだけで乳がんを発見できる確率は低くなってしまいます。

●超音波検査の役割

超音波検査のみによる検診は、乳がん死亡を減らすというデータがないため、あまり行われることはありません。しかし乳腺量が多くマンモグラフィーで分かりにくいような人には、有用となることが期待されます。また、マンモグラフィーで異常を指摘された場合の精密検査としても行われます。マンモグラフィー検診も完全ではありません。乳腺の状況によってはがんが見つけにくい場合もあります。公の基準でも80%以上のがんを見つけることができれば合格です。したがって、20%のがんは見落とされてしまうことになりますが、これは医療の限界といえます。
検診を受けて乳がんを早期に見つけることができれば、乳房切除やわきのリンパ節切除もしなくてすむため、手術の後遺症もほとんどありません。検診にはこのような大きなメリットがあります。

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