心筋生検研究会

第39回 心筋生検研究会

第39回心筋生検研究会は、お蔭様をもちまして多数の皆様方のご参加をいただき、盛会のうちに終えることができました。
これもひとえに、ご参加いただきました皆様、関係各位、ご協賛いただきました企業の皆様方のご協力とご支援の賜物と、深く感謝申し上げます。
皆様の更なるご活躍を心より祈念申し上げます。

会長挨拶

会長 岡部 眞典

この度、第39回心筋生検研究会を、2017年11月25日(土) に電気ビル(福岡市中央区)で開催させて頂くことになりました。

本研究会は、「心筋症」の臨床と研究の創成期である1979年に発足した歴史ある研究会です。1960年代に入って"心筋症"という概念が知られるようになり、1970年の日本循環器学会総会で『特発性心筋症』という用語に統一することが提唱されました。1974年には、河合忠一班長のもと厚生省(現、厚労省)の特発性心筋症調査研究班が発足しました。その5年後に、参加者が心筋生検のプレパラートを持ち寄り、岡田了三先生、関口守衛先生、河村慧四郎先生らフロンティアを開拓された先生方と、病理組織所見の解釈や診断について議論する場として当研究会の第1回が開催されました。今でも研究会の精神には変わりありませんが、心筋生検に限らず、剖検や手術で得られた標本、実験動物の所見も含め心臓血管病理に関連する題材を広く取り上げています。

CT・MRIやPET-CTなどの画像診断の発展が目覚ましい昨今では、非侵襲的に得られた画像によって心筋の組織性状を推測することが可能となり、マクロ病理所見に相当する病変の拡がりも知ることができます。心筋生検は、1962年に世界に先駆けて今野式バイオトームが我が国で開発されて以来、生体外から心筋を採取できる唯一の手段です。サンプリングエラーの弱点はありますが、心筋組織の直接的な情報をもたらします。心筋疾患の診療では、画像診断などの臨床所見をもとに心臓病理所見をイメージして考えるのが原則です。そこで今回の研究会では、原点回帰のワークショップ「画像診断モダリティと心臓病理」を企画し、気鋭の先生方に登壇して頂く予定です。

また、本年度から始まる日本循環器学会との合同シンポジウム、その記念すべき第1回のテーマは「心アミロイドーシス」です。コメンテーターには家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の研究でご高名な熊本大学神経内科教授 安東由喜雄先生をお招きし、シンポジウム前には先生の御講演も拝聴する予定です。

例年の研究会は金・土曜日の2日開催ですが、木曜日が祝日の今年は、皆様の日常診療の御都合などを勘案して土曜日の1日開催にさせて頂きました。朝から晩まで参加される先生にも、ハードな1日となりませんようプログラムを工夫したいと思います。また隣接する電気ビル共創館では、九州発信の冠動脈インターベンション・ライブコース「ARIA」が開催されます。ARIAに参加される先生方にも気軽に本研究会にお立ち寄りいただけるよう便宜を図りたいと考えています。

毎年、研究会に参加されている先生はもとより、初めての先生方も大歓迎です。心筋生検を行なったが最終診断が確定していない症例や病理所見の解釈が悩ましい症例なども、是非、ご供覧ください。ご参加頂いた先生方にとって、本研究会が、心臓血管病理の知見を深め日頃の疑問点を少しでも解決できる場となれば本当に幸いです。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

第39回心筋生検研究会
会長 岡部 眞典
済生会福岡総合病院 循環器内科顧問

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