ダヴィンチXiの特徴

手術支援ロボット「ダヴィンチ」は、アメリカで開発された最新鋭の内視鏡手術支援ロボットです。

患者さんの身体的な負担が少ない腹腔鏡手術内視鏡手術の特長を生かしつつ、術者の操作に従って内視鏡・メス・鉗子を動かすロボットの支援により、従来難しかった手術操作が可能になりました。
医師がモニターに映し出される高精細の3D画像を見ながら、ロボットアームを遠隔操作して手術を行うことで、精密かつ正確な手術を行い、患者さんの術後の負担を軽減します。

ダヴィンチXiを構成する
3つの機械

01.ペイシェントカート

4本のアームのうち1本は高画質の3次元カメラを、残る3本のアームは術者が操作する鉗子を接続しており、術者の手の動きを正確かつ繊細に再現しながら手術を行います。従来の内視鏡手術では不可能だった人間の手のような動き(手首や指などの複数の関節の連動)が可能です。

02.ビジョンカート

ペイシェントカートから送られてくる画像からハイビジョン3D画像を作成します。操作する医師以外のスタッフは、ビジョンカートのモニターを見ながら手術をサポートします。

03.サージョン
コンソール

術者がペイシェントカートの鉗子を操作する操縦台です。3次元化された画像を見ながら鉗子を動かすことができます。またズーム機能で細い血管や神経など細部を確認しながら、より正確かつ安全に手術を行うことが可能になりました。自在に動く鉗子は360°回転し、手振れも補正されていますので、きわめて繊細な動きが可能です。

対応疾患

2023年開始:直腸がん、肺がん、婦人科がん 今後対応予定:結腸がん、胃がん

2023年、当院では直腸がん、肺がん、婦人科がんにおけるロボット支援下手術が開始されました。今後は結腸がんや胃がんにもダヴィンチ手術を導入予定となっています。

2018年4月にロボット支援下手術の保険適用範囲が大きく拡大されたこともあり、今後当院でも各疾患に対して順次適応範囲を拡げて取り組んでまいります。

ダヴィンチXi
メリット

ADVANTAGES01.精密、正確な手術

精密な動きを再現

アームと鉗子の多関節機能により非常に小さく繊細な動きができ、従来の内視鏡手術では難しかった骨盤内のような狭くて深い場所の疾患に対しても安全な手術を行うことができます。
またロボットの手を使うことで手振れも補正されていますので、ブレの無いきわめて繊細な動きが可能です。周囲の神経などを傷つけてしまうことも少なく、機能温存が向上します。

鮮明な3D画像

ズーム機能による拡大視野で、3Dハイビジョンの立体画像が映し出され、術者は鮮明な視野の元で鉗子を操作することで、より精密な手術を行うことができます。

ADVANTAGES02.患者さんの負担軽減

傷口が小さく痛みが少ない

内視鏡手術と同じように身体に複数の小さな穴をあけ、カメラや鉗子を挿入して手術を行うため、傷口はとても小さく、術後の傷の痛みが軽減されます。創部の感染が少なく合併症も少ない傾向があります。

術中の出血が少ない

開腹手術に比べ手術時間は変わりませんが、出血量は少なく、術後の早期回復が見込まれます。入院期間も短縮されるので早期に社会復帰ができます。

当院の治療体制

医師・看護師・臨床工学技士からなる多職種チームを結成し、準備期間を経て2023年2月より運用を開始しました。

外科領域(消化管、呼吸器)において認定資格を取得した医師が、熟練した技術と豊富な経験に基づきロボット支援技術を用いることで、より正確かつ精度の高い手術が実施可能です。

よくあるご質問

どんな手術でもダヴィンチが使われるのですか?
すべての手術でダヴィンチが使えるわけではありません。ダヴィンチを導入している施設では、泌尿器科や消化器外科、婦人科、呼吸器外科などで行う手術に使用されています。当院では2023年6月現在、直腸がんや肺がん、婦人科がんに対してダヴィンチを使用します。
ダヴィンチ手術を受けたい場合はどうしたらよいですか?
当院を受診する際には事前にかかりつけ医の紹介状(診療情報提供書)をご持参ください。治療方針は主治医とご相談いただきますが、ダヴィンチ手術の必要性につきましては、腫瘍の大きさや部位、身体の状態などから専門の医療チームで検討します。
費用はどれくらいですか?
当院では保険適用の疾患に対してのみダヴィンチ手術を行っていますが、ダヴィンチによるロボット支援手術において、術式によっては従来の手術と費用は変わりません。
また、高額療養費制度を利用することで医療費の負担を抑えることができます。入院・手術に関わる費用は年齢や所得によって異なります。
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