ご挨拶

第29回日本血管病理研究会 会長
社会福祉法人恩賜財団済生会支部
福岡県済生会福岡総合病院 病理診断科主任部長

加藤 誠也

関係各位におかれましては、時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。このたび第29回日本血管病理研究会の会長を拝命し、2024(令和6)年11月23日(土・祝日)から24日(日)の会期で福岡市中央区天神、JRE天神クリスタルビルにて同研究会を開催させて頂くことになりました。日本血管病理研究会は、平成8年、厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班の先生方を中心に結成された血管炎研究会を起源とし、現在は動脈硬化性疾患を含めた幅広い血管病態の解明、治療学の向上、そして研究成果の世界に向けての発信を目的に年一回の学術集会が開催されています。歴代の事務局長、研究会会長をはじめ諸先生方の御尽力により継続されてきた由緒ある研究会を担当させて頂く栄誉に預かりましたこと、あらためて御礼申し上げます。

本年度はテーマを「血管病理、実臨床からの期待」として、医療医学の進歩に係らずなお立ちはだかる課題を実臨床ニーズとして再認識し、あらたな研究推進の原動力に資する会としたいと考えます。シンポジウム「動脈硬化治療学の進歩と病理学への期待」では、最前線で血管治療を担っておられる臨床家から研究者へのメッセージ、そして新たな病態認識につながる基礎研究の成果を御講演頂きます。また、血管炎の領域においては福岡地区で多数の症例を担当されている臨床家に講演を依頼させて頂きました。参加者の皆様ともリアルワールドのアンメットニーズを共有し、あらたな研究への意欲を募らせて頂ければ幸甚です。特別企画のテーマには「微小循環、リンパ管」を選ばせて頂き、近年意欲的に成果を公表されている気鋭の若手研究者による次世代を予感させる講演を拝聴したいと思います。そして、なによりも個々の症例の詳細な解析が研究会の原点です。多数の一般演題・症例報告の登録をお願い申し上げます。本年度は協賛企業の御厚意により病理画像管理クラウドシステムPidPortを提供頂いており、バーチャルスライドの事前閲覧が可能ですので、存分に御活用頂き、全国の専門家を交えた議論を深めて頂ければ幸いに存じます。

現在、有意義な研究会となりますよう、スタッフ一同、鋭意準備を進めているところです。御指導、御鞭撻頂いている先生方、御支援頂きます企業の皆様にはあらためて深謝申し上げます。晩秋の福岡に多くの皆様にお出で頂き、有意義な時間をお過ごし頂ければ幸甚に存じます。

2024(令和6)年3月吉日